日焼け止めを選ぶとき、本当にその数字を理解していますか
こんにちは。FRAISE CLINICで美容看護師を務めております、能藤裕気と申します。札幌にも本格的な日差しが降り注ぐ季節が近づくたびに、カウンセリングでこんなご質問をいただきます。「SPF50とSPF30、やっぱり50のほうが安心ですか?」「PA++++って、どのくらい強いんですか?」。
日焼け止めのパッケージに並ぶアルファベットと数字。毎日のように目にしているのに、その本当の意味を説明できる方は意外と少ないものです。しかも最近では、韓国コスメの日焼け止めを愛用されるお客様が本当に増えました。すると、ここで新たな疑問が生まれます。「日本の日焼け止めと韓国の日焼け止め、同じSPF50でも中身は同じなの?」と。
今回は、この少し複雑な「紫外線と日焼け止め表記の世界」を、美容初心者の方にも分かりやすく、丁寧にお話ししてまいります。正しい知識は、必ずあなたの肌を守る確かな味方になってくれるはずです。
紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)——役割の違う二つの光
まず、日焼け止めのお話をする前に、「紫外線」そのものを少しだけ整理させてください。地上に届く紫外線には、大きく分けて二種類あります。一つが「UVA(紫外線A波)」、もう一つが「UVB(紫外線B波)」です。
UVA——肌の奥深くに静かに届く「老化の光」
UVAは波長が長く、肌の真皮層にまで到達します。真皮層にはコラーゲンやエラスチンという、肌のハリと弾力を支える繊維が存在しています。UVAはこの大切な土台を、じわじわと壊していくのです。シワ、たるみ、深いシミ——いわゆる「光老化」と呼ばれる肌の変化は、ほとんどがこのUVAによるもの。しかも窓ガラスを通り抜け、曇りの日でも降り注ぐため、「気づかないうちに蓄積する」という点が本当に厄介なのです。
UVB——肌表面を赤く焼く「炎症の光」
一方のUVBは波長が短く、主に肌表面に作用します。海水浴の後に肌が赤くヒリヒリしたり、皮が剥けたり——あの急性の日焼けはUVBの仕業です。シミやそばかすの直接的な原因にもなります。
この二つの光は、性質も、肌に与える影響も、まったく違います。だからこそ日焼け止めも、両方への防御を考えなくてはならないのです。
SPFという数字が意味するもの——UVBを防ぐ時間の目安
では、ここから本題に入ってまいりましょう。「SPF」とは「Sun Protection Factor」の略で、UVB(紫外線B波)に対する防御力を示す数値です。
よく誤解されるのですが、SPFの数字は「防御の強さ」というより、「UVBによって肌が赤くなり始めるまでの時間を、何倍に引き延ばせるか」を示しています。例えば、何も塗らない状態で20分で肌が赤くなる方がSPF30の日焼け止めを塗った場合、理論上は20分×30=600分、UVBに抵抗できるという計算になります。
ただし、これはあくまで理論値。実際には汗や皮脂、摩擦で日焼け止めは少しずつ落ちていきます。ですから、どんなに高いSPFの製品でも、2〜3時間ごとの塗り直しが欠かせないのです。
SPF50もSPF30も、UVBをカットする割合で比べると、実はほんの数パーセントの差です。大切なのは数字の大きさよりも「適切な量を、こまめに塗り直すこと」。これはカウンセリングで必ずお伝えしている基本中の基本です。
PAという表記が示すもの——UVAを防ぐ力のランク
次に「PA」について。PAは「Protection Grade of UVA」の略で、こちらはUVA(紫外線A波)に対する防御力を示します。表記は「+」の数で表され、現在は以下の四段階が用いられています。
- PA+:UVA防御効果あり
- PA++:UVA防御効果がかなりある
- PA+++:UVA防御効果が非常にある
- PA++++:UVA防御効果が極めて高い
このPAは、「PPD(Persistent Pigment Darkening)」という測定方法に基づいています。簡単に申し上げると、UVAを浴びて肌が黒くなる反応を、どれだけ遅らせられるかを測定しているのです。
光老化を本気で予防したいのであれば、SPFの数字以上に、このPAの「+」の数に注目していただきたいと思います。シワやたるみを気にされるお客様には、私はいつもPA+++以上をおすすめしております。
日本と韓国——同じ「SPF50」でも規格は違う
さて、ここからが今回の本題とも言える部分です。韓国コスメの日焼け止めを使われるお客様から、本当によくこんなご相談をいただきます。「同じSPF50って書いてあるのに、なんだか使い心地も効果の感じ方も違う気がするんです」と。
SPF表記の上限と測定方法
日本では、SPFの最高表記は「SPF50+」と定められています。これは50を超える数値を具体的に表記しない、というルールです。韓国も同様にSPF50+が最高表記となっており、ここは一致しています。
ただし、測定方法や試験条件に細かな違いが存在します。日本は日本化粧品工業連合会(JCIA)の基準、韓国は食品医薬品安全処(MFDS)の基準に基づいており、それぞれ独自のガイドラインで測定されています。基本的な理論は国際基準(ISO)に沿っていますが、実験に用いる人数や光源、塗布量などの細部に差があるのです。
PA表記とPPD表記の違い
UVA防御の表記については、日本と韓国はいずれも「PA+〜++++」の方式を採用しています。この点は共通です。一方、ヨーロッパなどでは「PPD値」という数値で直接表記されることもあり、国によって文化が異なります。
剤型と使用感の違い
規格以上に体感差が生まれる理由として、「処方の思想」の違いも大きいのです。韓国の日焼け止めは、トーンアップ効果やスキンケア成分の配合、みずみずしい使用感を重視する製品が多く見られます。日本の日焼け止めは、汗や水に対する耐久性、肌への優しさを徹底的に追求した製品が主流です。どちらが優れているということではなく、「何を大切にして作られているか」の思想が違う。だから使い心地にも違いが生まれるのです。
韓国で人気の「ノンケミカル」「ハイブリッド」とは
韓国日焼け止めの話をする際、避けて通れないのが「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の違いです。
紫外線吸収剤(ケミカル)
紫外線を肌の上で化学反応により熱エネルギーに変換して無害化する成分です。使用感が軽く、白浮きしにくいという利点がありますが、敏感肌の方には刺激を感じる場合があります。
紫外線散乱剤(ノンケミカル・ミネラル)
酸化亜鉛や酸化チタンといった粉体で、紫外線を物理的に反射・散乱させる成分です。肌への刺激が少なく、お子様や敏感肌の方にも使いやすい一方、白浮きしやすく、重たい使用感になりやすいという特徴があります。
韓国では近年、両方を組み合わせた「ハイブリッド処方」が主流となっており、軽やかな使い心地と肌へのやさしさを両立した製品が次々と登場しています。もし製品選びに迷われたら、ぜひ成分表示にも目を向けてみてください。
施術を受けた後の肌にこそ、正しい紫外線対策を
FRAISE CLINICでは、HIFUやインモード、LDM、エクソソーム導入など、肌の深層にアプローチする施術を数多くご提供しております。これらの施術を受けられた後の肌は、通常よりも紫外線に対して繊細な状態になっていることが少なくありません。
せっかく時間と費用をかけて肌を育てていただいても、紫外線対策が不十分であれば、その努力は半減してしまいます。私たちが施術後に必ず日焼け止めの塗り方までお伝えしているのは、「クリニックを出た後の毎日こそが、本当の美肌づくりの舞台」だと信じているからです。
静かな午後、カウンセリングルームでお客様とスキンケアの話をしていると、「こんなに丁寧に教えてもらったのは初めてです」とおっしゃっていただくことがあります。その言葉をいただくたびに、医療機関として、またひとりの美容看護師として、何よりも大切にしたい姿勢をあらためて確かめるのです。
能藤から、日焼け止め選びの最後のアドバイス
最後に、日常の日焼け止め選びで迷われたときのために、簡単な指針をお伝えいたします。
- 日常の通勤や買い物程度:SPF30・PA+++で十分
- 長時間の屋外活動、レジャー:SPF50+・PA++++
- 施術後や敏感な時期:ノンケミカル処方を優先
- メイクの上から塗り直し:ミストタイプやパウダータイプを併用
そして何より、「適量を、こまめに」。これに勝る紫外線対策はありません。顔全体に塗る量の目安は、500円玉大。想像以上に多いと感じられるかもしれませんが、実はこの量でようやくパッケージ表記通りの効果が得られるのです。
あなたの肌に、本当に合うケアを
紫外線対策は、美容医療の効果を長く美しく保つための、最も基本的で、最も確かな土台です。けれど、情報があふれる現代だからこそ、「自分の肌に本当に合うものは何か」を見極めるのは、簡単なことではありません。
FRAISE CLINICでは、お一人おひとりの肌質、ライフスタイル、そしてお悩みに寄り添いながら、最適なスキンケアと施術プランをご提案させていただいております。初めて美容医療に触れられる方にも、安心して一歩を踏み出していただけるよう、まるでホテルのラウンジのように静かで落ち着いたカウンセリングルームをご用意しております。
「日焼け止めの選び方から相談したい」——そんな小さなご質問でも、どうぞお気軽にお越しくださいませ。札幌のFRAISE CLINICで、能藤が心を込めてお迎えいたします。あなたの肌が、これから先もずっと輝き続けるために。その第一歩を、ぜひ私たちとご一緒に。
韓国美容・最先端美容医療のカウンセリングは無料です。
HIFU・インモード・LDM・エクソソームなど、能藤が担当する施術についてお気軽にご相談ください。